【美女と野獣】 毎日がつらいあなたに聞いてほしい How does a moment last forever

ディズニーランド

皆さんこんにちは。Momijiです。
パークを訪れる時や映画を見る時、音楽を聴く時、ディズニーに触れる瞬間が今よりももっときらめくようなトリビア・豆知識について解説します。

今日は、2017年に公開された実写版「美女と野獣」の劇中歌、How does a moment last foreverを紹介します。

この曲はアニメ版にはなく、実写の制作にあたり新しく書き下ろされた曲です。劇中に2回、エンドソングに1回流れます。

① 映画冒頭、モーリスがベルに歌う劇中歌
② ベルが故郷を訪れた際に歌う劇中歌
③ セレーヌ・ディオンが歌うエンドソング

それぞれの歌詞と和訳を徹底的に解説、最後に感想と伝えたいことについてお話します。
映画を見たことがある人もない人も、ゆっくり歌詞を見ながら聴いてみてくださいね。

それぞれの英語歌詞、日本語歌詞、和訳

映画冒頭、モーリスがベルに歌う劇中歌

アンティークのオルゴールの音色に合わせて、ベルの父モーリスが歌います。
オルゴールは、子供を抱く女性と2人を描く男性の彫刻が入っており、部屋にはそのときの絵や成長していくベルの絵が所狭しと飾られています。

【英語版・和訳】How Does a Moment Last Forever(Music Box)

How does a moment last forever?
どうしたらこの一瞬は永遠になる?

How can a story never die?
どうしたらこの物語が続く?

It is love we must hold onto
それは愛、私達が手放してはならないもの

Never easy, but we try
難しいけれど、私達は挑むの

Sometimes our happiness is captured
しばしば私達の幸せは捕らえられて

Somehow, our time and place stand still
どういうわけか、時間も時も止まってしまうけれど

Love lives on inside our hearts and always will
愛は私達の心に生き続ける、いつの時も
【日本語版】時は永遠に - ミュージックボックス・バージョン

どんな時も愛だけは
守り抜いていこう
それは とてもつらい試練だけれど
幸せは 自分の手でつかむものさ
愛は生き続けるよ
永遠に

変わり者と言われることに悩んでいるベルに、モーリスはベルの母親の話をします。
2人にとってなによりも大切な存在であった彼女。そして彼女亡き今、何よりもモーリスにとって大切なベル。幸せな瞬間を切り取ろうと、残そうと、自分の作品の中に思い出を閉じ込めながらその音色に乗せてささやかに語るように歌われるこの曲。そんな背景を想像しながら聴くと、何度聞いても涙が出てきます。

momiji
momiji

“always”を”永遠”と訳したのは個人的にとても好きです。

でも、「この先永遠に生き続ける」のと「いつの時も生き続けるもの」

若干ニュアンスが違います。みなさんはどちらが好きですか?

是非コメントで聞かせてください:)

ベルが故郷を訪れた際に歌う劇中歌

この曲は物語中盤、野獣の魔法の本で子供時代を過ごしたパリに行ったときに流れます。
幼い頃過ごした家、ペストに罹って亡くなってしまった母親、

この曲だけ、歌詞が他と全く違います。

【英語版・和訳】How Does a Moment Last Forever (Montmartre)

This is the Paris of my childhood
ここが子供時代のパリ

These were the borders of my life
これが私の人生の境界線だった

In this crumbling, dusty attic
この崩れかけた埃っぽい屋根裏部屋で

Where an artist loved his wife...
芸術家は妻を愛していた

Easy to remember,
思い出すのは簡単だけど

harder to move on
次に進むは難しい

Knowing the Paris of my childhood is gone
見知った子供時代のパリはもうない
【日本語版】時は永遠に - モンマルトル・バージョン

子供時代のパリ
この屋根裏部屋で
貧しい芸術家が
妻と暮らしてた
ふたりは愛を 育んだ
思い出だけがここに あるわ

パリの古い家で、医者のマスクを見つけます。父もモーリスがずっとベルに話せなかった母親の最期。
彼女は疫病で亡くなったのです。「今すぐここから去れ」とさじを投げた医者。幼いベルを守るため、モーリスは最愛の人を置いて家を出たのです。

momiji
momiji

1度目のモーリスが歌うシーンで出てきた赤子のベルを抱く母親の絵画が、パリの家にも飾られています。また、母親が最期にキスしたバラのアンティーク品はベルが持ち帰っており、その後のモーリスとのシーンに登場します。野獣のバラと母親のバラ。それぞれが持つ意味を考察しながら映画を見てみると更に違った魅力があります。

セレーヌ・ディオンが歌うエンドソング

【英語版・和訳】

How does a moment last forever?
どうしたらこの一瞬は永遠になるの?

How can a story never die?
どうしたらこの物語が続くの?

It is love we must hold onto
それは愛、私達が手放してはならないもの

Never easy, but we try
難しいけれど、私達は挑むの

Sometimes our happiness is captured
しばしば私達の幸せは捕らえられて

Somehow, our time and place stand still
どういうわけか、時間も時も止まってしまうけれど

Love lives on inside our hearts and always will
愛は私達の心に生き続ける、いつの時も


Minutes turn to hours, days to years then gone
分は時間となり、日になり、年になり、そして消え去る

But when all else has been forgotten
他の全てが忘れ去られてしまっても

Still our song lives on
私達の歌は生き続ける


Maybe some moments weren’t so perfect
完璧でない瞬間もたくさんあったかもしれない

Maybe some memories not so sweet
いくつかの思い出は幸せではなかったかも

But we have to know some bad times
それでも悪い時も経験しなくてはいけない

Or our lives are incomplete
さもないと人生は不完全

Then when the shadows overtake us
影が私達を覆いつくして

Just when we feel all hope is gone
全ての幸せがなくなったと感じるときにでも

We’ll hear our song and know once more
私達の歌を聞き、もう一度知るの

Our love lives on
私たちの愛が生きていることを


How does a moment last forever?
どうしたらこの瞬間を永遠に出来るの?

How does our happiness endure?
どうしたらこの幸せを失わずに済むの?

Through the darkest of our troubles
最も暗い困難を乗り越えることで

Love is beauty, love is pure
愛は純粋で、美しいものになる

Love pays no mind to desolation
愛は孤独など気にもかけない

It flows like a river through the soul
革のように魂を流れる

Protects, proceeds, and perseveres
守り、続けて、耐え抜いて

And makes us whole
私達は完全になる


※繰り返し


How does a moment last forever
この瞬間が永遠となるのは

When our song lives on
私たちの歌が生き続けるとき

感想と伝えたいこと

この曲は、かつては子供だった全ての人が共感できる曲だと思います。
時には幸せだった過去に縋りたくなる時も、戻りたくてどうしようもなくなる時も、前に進めない時もあります。

それでも前を向いて前を向いたベル。
広く知られているエンドソングと繋がっていきます。

ただ、このエンドソングはベル自身が歌うものではありません。
歌うのは、セレーヌディオン。彼女はアニメーション版の美女と野獣でもエンドソングを担当しています。
(その時歌っているのは Beauty and the Beast)

そこが大切なところだと思うのです。
この作品の登場人物の誰かが歌うのではなく、エンドソングがメインとして別に存在しているというところが、他の作品とのリプライズの歌の大きな違いです。
そのことで、この物語に登場する全てのキャラクターひいては見ているあなたにさえも共感できるような特別な曲になっています。

みんな縋りたい、戻りたいと願ってしまう幸せな過去があり、辛い時を乗り越えて成長していく。
この当たり前の営みの渦中にいる時は、希望はもう何も無い、この苦しみは終わらないと思ってしまう時もあります。

しかし、「信じられるものは何もない」と泣いたシンデレラの前にフェアリーゴッドマザーが現れて、「夢を信じられない人のところに私は来ない」とほんの少しの魔法をかけてくれたように。
この曲は毎日に希望を感じられなくなった誰かに、心の中にある本当に大切なものに気づかせ、そっと寄り添ってくれることでしょう。

それでは、夢と魔法に溢れたみなさんの人生。
今日もすてきな旅のひとときをお過ごしくださいね。

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