【涙腺崩壊】トイ・ストーリー2の “When She Loved Me”を徹底解説

ディズニーシー

皆さんこんにちは。Momijiです。
パークを訪れる時や映画を見る時、音楽を聴く時、ディズニーに触れる瞬間が今よりももっときらめくようなトリビア・豆知識について解説します。

今日は、トイストーリー2の感動的なバラード、「ホエン・シー・ラヴド・ミー(When She Loved Me)」についてです。私は毎度この曲を聞くたびに泣きそうになります…。

もちろん普通に聞くだけでも感動的で素敵ですが、この曲のバックグラウンドや細かい歌詞を読み解くと、更に魅力的に聞こえること間違いなし。

作品のファンも、映画を見たことがない人も、是非一緒に見ていきましょう!

曲の概要

この曲は、映画の中で、カウガール人形のジェシーがかつての持ち主であったエミリーとの思い出を振り返るシーンで流れます。このシーンは、ジェシーがエミリーに大切にされ、そして成長とともに手放されてしまう過程を描いています。
曲の歌詞とメロディーは、ジェシーの悲しみと切なさ、そして愛されていた日々の幸せを強く表現しているのです。

作曲と作詞を手掛けたのは、ランディ・ニューマン(Randy Newman)。”You’ve Got a Friend in Me” 等のトイストーリーシリーズの他にも、”If I Didn’t Have You(君がいないと)”をはじめとするモンスターズ・インクの楽曲等、数々の映画音楽やヒットソングを手掛けた著名な作曲家です。

「ホエン・シー・ラヴド・ミー」は、その感動的なメロディーと歌詞で高く評価され、1999年のアカデミー賞で最優秀オリジナル歌曲賞にノミネートされています。また、ゴールデングローブ賞やグラミー賞などでもノミネートされ、数々の音楽賞で注目を浴びました。

momiji
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日本だと、トイストーリーの曲といえば「君はともだち」一強だけど、

この曲も受賞歴もたくさんある、名曲中の名曲です。

歌詞と和訳

When She Loved Me 英語歌詞と和訳

When somebody loved me, everything was beautiful
愛されてた時、全てが綺麗だったの

Every hour we spent together, lives within my heart
ともに過ごした時間全て私の心の中で生きてる

And when she was sad, I was there to dry her tears
彼女が悲しい時、涙を乾かそうとそこにいた

And when she was happy, so was I, when she loved me
そして彼女が幸せな時はもちろん私も同じ、
彼女に愛されていた時は


Through the summer and the fall, we had each other, that was all
夏や秋を過ぎても、私達にはお互いがいて、それが全てだった

Just she and I together, like it was meant to be
ただ彼女と私が一緒にいる、ずっとそうであるはずだった


And when she was lonely, I was there to comfort her
あの子がひとりの時、慰めようと側にいた

And I knew that she loved me
彼女が私を愛してることを知っていたから


So the years went by, I stayed the same
年月は経って、私は変わらないまま

But she began to drift away, I was left alone
だけど彼女は離れていって、私はひとり取り残された

Still I waited for the day, when she’d say "I will always love you."
まだ今日も待っている、彼女が「いつまでも愛してるよ」って言ってくれる日を


Lonely and forgotten, never thought she’d look my way,
孤独で、忘れられて、彼女は私を思い出さなくなった

And she smiled at me and held me, just like she used to do,
そして、笑いかけて手に取った、かつてそうしてくれたように

Like she loved me, when she loved me
私を愛してくれたかのように、愛してくれていた時のように


When somebody loved me, everything was beautiful
愛されてた時、全てが綺麗だったの

Every hour we spent together, lives within my heart
ともに過ごした時間全て私の心の中で生きてる

When she loved me
彼女に愛されていた時のこと

日本語歌詞

愛されてた
楽しい日々が
今も胸の奥に
生きてる

悲しみは
癒してあげた
喜びはふたりで
分け合う

輝く季節
ふたりで過ごした
かけがえのない人
強い絆

寂しければ
慰めあった
愛されてたの

ときが過ぎ
あの子の世界は変わり
離れてゆく
届かぬ願い
「いつか思い出して」

夢もなくし
忘れかけてた
優しいまなざし
手のぬくもり
変わらぬ微笑み

愛されてた
楽しい日々が
破れた胸の奥に残る

今でも

歌詞に込められた意味

somebody と she

英語版の歌詞を見ると、somebody と she という2つの表現があることが分かります。

When somebody loved me, everything was beautiful
Every hour we spent together, lives within my heart
And when she was sad, I was there to dry her tears
And when she was happy, so was I, when she loved me

タイトルも「ホエン・シー・ラヴド・ミー(When She Loved Me)」ですね。

sheは誰の事か?
これは言うまでもなく、かつての持ち主、エミリーでしょう。

ではなぜ歌いだしはsomebodyなのか?
こちらは私の解釈なのですが、おそらく「思い出や幸せを強調したかったから」なのではないかと思います。

When somebody loved me, everything was beautiful (「愛されてた」時は、全てが綺麗だった)
When she loved me, everything was beautiful(彼女に愛されていた時、全てが綺麗だった)

ニュアンスの違いとしてはこのような感じでしょうか。
someodyは直訳すると「ある人」。つまり、誰とは断定しない、「人」というふわっとした表現です。
あえてエミリーのことであると断言しないことで、「幸せな思い出」そのものに思いをはせているジェシーをえがいているのではないかと思います。

この曲は、ただエミリーへの未練を歌った曲ではありません。
忘れられ、捨てられてしまった悲しさとともに、愛されていたという確かな喜び・幸せについても言及しているのです。

映像とぴったりリンクする歌詞

注目してほしいのは、

Lonely and forgotten, never thought she’d look my way,
孤独で、忘れられて、彼女は私を思い出さなくなった

And she smiled at me and held me, just like she used to do,
そして、笑いかけて手に取った、かつてそうしてくれたように

Like she loved me, when she loved me
私を愛してくれたかのように、愛してくれていた時のように

2行目の歌詞の部分。歌詞だけ読み解くとわからないのですが、映像では、ベッドの下で埃まみれになったジェシーを、落とした化粧品を取ろうとしたエミリーによって偶然見つけられるシーンです。

この時に映っているのは、エミリーの手の中にいるジェシー。もちろんおもちゃなので、いつもの笑顔です。エミリーの表情は分かりません。

それでも、ジェシーを通して、かつてのように変わらない笑顔でほほえんで、ジェシーを手に取ったエミリーの様子は伝わります。
その後、エミリーはジェシーをかばんに入れて車に乗せます。ジェシーはとても幸せそうな表情をしていますが、行先は不用品回収の段ボール。

かつて、愛してくれていた時のように。

ジェシーを偶然拾った時のエミリーの笑顔は、自身の失われた自分の幼少時代を思い出した、切ない笑顔だったのだと思います。それでもジェシーには、自分を愛してくれていたあの頃の笑顔と同じと感じ、つかの間の幸せを感じていたのです。
この曲一番の高音と過去形のこの表現が、胸に刺さります。

同じ歌詞の冒頭と最後

冒頭と同じフレーズが、最後にも繰り返されます。

When somebody loved me, everything was beautiful
愛されてた時、全てが綺麗だったの

Every hour we spent together, lives within my heart
ともに過ごした時間全て私の心の中で生きてる

When she loved me
彼女に愛されていた時のこと

それでも、それぞれのニュアンスや伝えたいことが若干違う気がしてならないのです。

2つのシーンそれぞれで、車の中のエミリーの隣で幸せを噛みしめて目をつぶるジェシーの様子が映ります。心情の変化と、この先のジェシーの未来を考えると、本当に切ないシーンです。

冒頭は、エミリーと過ごした楽しい時間。その幸せを単純に歌っている表現。
ラストの部分は、寂しさ・悲しみ・もう一度笑顔を見れた喜びと、絶望。それでも、「幸せだった」と心から思っているジェシーのまっすぐさを感じます。

「捨てられた」という強いトラウマを抱えながらも、幸せだったことは大切に胸にしまいながら気丈に振る舞い次の夢を見つけていくジェシー。
私も、そんな彼女の強さを見習いたいです。

まとめ

いかがでしたか?

意味を深く読み込んで再度映像とともに聞くと、本当に涙なしでは見られなくなります。
少し悲しい気持ちになったとき、是非この曲とともに美しい思い出をそっと振り返ってみてください。

momiji
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東京ディズニーシーの人気アトラクション、トイストーリー・マニアも待ち列でも使用されるこの曲。おもちゃを持っている子供、たくさんのおもちゃを手放した大人、今愛し合う大切な人と一緒に過ごしている人達。みんなが無意識のうちに聞いています。

彼らにはこの曲の真の意味は直接は届かないかもしれませんが、この曲のメロディーとともに、今日の特別な思い出を大切にして欲しいなぁと思います。

それでは、夢と魔法に溢れたみなさんの人生。
今日もすてきな旅のひとときをお過ごしくださいね。

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